上野の国立科学博物館で開催している『特別展 昆虫』に行ってきた。
最近のぼくは幼児退行化が進行しつつあり、複雑な社会の仕組みや建前ばかりの大人の交渉事というものにうんざりしているため、人間なんかより虫や魚の方にいっそう愛着が湧いている。
そんなわけでいつもの気まぐれを起こし、上野の国立科学博物館で開催している『特別展昆虫』に行ってきた。小学生の時から昆虫は大好きで、カブトムシやコクワガタが家に飛翔してくると23歳の今でさえ、納戸から飼育箱を引っ張りだしている。
詳細は以下のHPで確認されたし。
https://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2018/konchu/
当日券は一般・大学生で1,600円。
香川照之も楽しそうだ。
味のある会場マップである。
会場を入るといきなり巨大化された昆虫が襲い掛かってくる。
腰につけた巾着袋みたいな花粉団子がキュートである。撫でたら気持ちよさそう。
静かなる暗殺者である蚊。巨大化することでその禍々しい容貌が明らかになるのである。
ちなみに一部を除いてフラッシュを焚かなければ、写真を撮ることが可能。
Gの部屋で生きているゴキブリを見ることもできるが、一応写真は差し控えておく。とはいえ、リビングで我ら人間を震え上がらせるあの真っ黒いGではなく、ハテナゴキブリといって背中にはてな模様が浮かんだカメムシみたい種類も展示されている。このハテナゴキブリ、もぞもぞしていてかわいい。
圧巻の標本数である。写真のホワイトバランスをミスって虫の色合いが良く分からないのであるが、実際に目にすると、アートのようにギラギラと圧倒される。これは一見の価値ありである。
また小さい虫の標本を目を凝らしてみるのも楽しい。
目を凝らさないと中々判別できないほど小さいのであるが、ツノゼミというのは実に珍妙なツノを生やした虫である。セミとついているが、夏にやかましく鳴くわけではない。
上の画像にもあるヨツコブツノゼミという虫に関しては拡大模型もある。
地球というものは珍妙なものを生み出してしまうものだ。毛の生えたこぶをヘリコプターのプロペラみたいに頭に付けている理由は研究者でも分かっていないらしい。
それでも、地球のどこかに人知れず存在しているこのヘンテコな生き物に密かに自分を重ねてしまうのである。
どうでもいいが昆虫学者はネーミングセンスがとても良い。
ムカシトンボなんてのもなんかロマンがある名前だし、エンマコオロギをよく見ると成程厳めしい顔をしている。ホタルにもゲンジホタルとヘイケホタルがいるが、著名な氏族同士の因縁を虫の名前に持ち込むセンスはよく考えると凄い。
虫の体の構造や雑学を知るのも面白い。映像やCG、マンガなどで分かりやすく知ることができる。オスの蛾がメスのフェロモンを嗅いで、羽をバタバタさせながら踊り回っている映像なんかもあって人知れずにやにやした。
そんなこんなで夢中になって3時間ほど滞在したのであるが、少年の心に戻って結構楽しめた。意外にもカップルや若い女性が2人連れで来ているのを目にすることも多かった。香川照之効果であろうか。実際、女性でも蝶の標本を見てパシャパシャ写真を撮っていたりもしていたし、虫を生理的に受け付けない人でもライトに楽しめる場所であるはずである。