本を読む意味について考えてみた

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読書って言葉

 

ぼくは本を読むことは好きですが、読書って言葉がなんとなく苦手です。

読書って使うと、小学校の頃から親や先生から強制されてするようなイメージがあるし、履歴書の趣味の欄に読書って書くのも、なんとなく利口そうなイメージを面接官に植え付けるためだとも思えます。

本を読むことっていうのは、強制されてするものでなければ、衒学的な人にありがちですが他人にアピールするためにするものでもないと思います。

まあ、ぼくも普通に読書という言葉は使ってはいるのですが、なんとなく読書という響きで、本を読むことを敬遠している人もいらっしゃるかも知れないと勝手に考えています。

 

本を読むのは大きな負担

 

とはいえ、読書って言葉の好き嫌いは関係なしに、本がいかに好きであっても、本を読むことは大きな負担であり、時には苦痛さえをも伴います。

本を読むということは、登山しているようなもので、楽に進める地点もあれば、ゆっくり進まないと内容が滑落してしまうような難解な地点もあります。当然、選ぶ本によっても、読む難易度は大きく違います。エレベストを登るのと、高尾山を登るのとでは大きな違いがあるのと同じです。

先ほどの読書の話にもつながりますが、ただでさえ本を読むのは大変なのに、先生や親から強制までされてしまったら、本好きになれるはずもありません。

では、なぜ本を読むのが大変なのか要因は大きく2つあります。

 

①時間がかかる

 読む本や読むスピードにもよりますが、普通、本を読むのは時間がかかります。

300P分の本を読むのにも、平均しても3時間くらいはかかるものだと思いますし、難解な内容であるなら、さらに時間もかかるでしょう。小説を一冊読む時間があるなら、映画を2,3本見ることだってできるかも知れません。仕事や家事で忙しいのにも関わらず、そんなに時間をかけて本を読むのも大変でしょう。(だからこそ、小学生のうちに読書しておけって論理は非常によく分かる。)

 

②集中力を要する

本を読むのが、大変集中力を要します。スマホと違って、ながら行為で本を読むことは出来ませんし、気が散っていたり落ち込んでいたりするときには本の内容が頭に入ってこないこともあります。継続して数時間も集中力を保っていなければならないのは大変なことです。

 

なぜ、本を読むことに意義があるのか

 

 では、なぜ、ぼくが本を読むのかを考えてみたので説明したいと思います。

 

①著者の頭の中を覗き見ることができる

本を読むということは、作家の頭の中を覗き見ることだと思っています。本ほど、生々しく著者の考えや思考が自分の脳みそへとなだれ込んでくるものもありません。

作家自身の脳みそで考えていることがそのまま文章として表現出来ているか、さらに、その表現が読者にとって誤解を与えることなく、分かってもらえるかということを頭を捻りに捻って考え、できたものが一冊の本になるのです。

生の状態で本の中に保存された作家の哲学や繊細な感性で感じ取った情景を、そのままの形で自分の頭に映し出すことこそが、本を読むことの真髄であると考えています。

簡単に言い換えれば、他人の目線から物事をみることができるのです。

 

②時も場所も関係なく、理解者を見つけることができる

本というものがどこにでもあり、どんな時代にでも存在しているものである以上、ワープマシンであり、タイムマシンでもあります。

本があれば、作家の頭にある思考や考えを読み取ることができると述べましたが、例えば、100年前に生きていた作家やアメリカの作家の脳みそを直接覗き見ることができるのです。

本当に共感できる本を見つけたとき、今は亡くなっている作家であろうと、遠い異国に暮らしている作家であろうと関係なしに、自分の理解者を得ることもできるのが、本というものだと思います。

 

③文章を通して、想起させたイメージは現実のモノを超える

難しい話にはなりますが、自分の頭で考えたイメージは具体化されたモノよりも完璧であるということです。

分かりやすい例を持ち出すと、漫画や小説の実写化が原作と比べられて、ガッカリされることが多いのは、原作を読むことによって膨らませた自分の理想のイメージ像と物理的制約によって制限された現実世界の実写物のギャップが大きいからです。

本から想起されるイメージには、物理的な制約が全く生じないため、SF小説のような現実では起こりえないことも頭の中で現実のことのように錯覚することができるのです。

 

最後に
 

本を読むことはたしかに大変なことではありますが、それ以上に自分にかえってくるリターンも大きいです。ぼくは、分厚いページの中から、本当に美しくて、共感できる一文を見つけただけでも、この本を読んで良かったと思います。 本を読んだときには分からない考えかたもあるかも知れませんが、ある日ハッと気が付くこともあるかも知れません。 本を読むことでしか得られないメリットがたくさんあります。読書ライフって、いいことづくしですよ!