ニュージーランドの北島の『豊穣な湾』タウランガに滞在中。快適で親切なスローライフ
ベイ・オブ・プレンティ地方の中心地 タウランガ
ぼくはこの3ヶ月間、ベイ・オブ・プレンティ(豊穣な湾)地方の中心地であるタウランガで生活しているが、この街が個人的に大変気に入ったために紹介してみたいと思う。
タウランガは地理的には北島の上の方にある。
オークランドから車でだいたい3時間ほどの距離にある。
ベイ・オブ・プレンティというのは、キウイフルーツやアボカド、柑橘類など豊富な農作物が取れることで、 英国の冒険家のキャプテン・クックにそう名付けられたらしい。
これはニュージーランド全体に言えることだけど、タウランガはメジャーな観光地があるわけではない。必ずしも観光地として整備されているわけではないんだけど、田舎の居心地の良さみたいなものがある。観光資源はあるけど、人をたくさん呼び寄せるための宣伝をして経済的な発展を促すというよりもむしろ自然を踏み荒らされないための施策に労力をかけている。
だから、合う人には合うだろうけど、全員が全員合うかというとそういうわけでもないと思う。ニュージーランドワーホリをしていると退屈だという話を聞くことがあるけど、刺激が欲しい人にとっては確かにそうかも知れない。浮ついた雰囲気が皆無と言っていいほどないし、何かと大雑把でワイルドだ。
街を歩く人たちのファッションを例に取れば、下が半ズボン、ビーチサンダルなのに上は分厚いコートを羽織っていたり、マックパックやカトマンドゥなどのキャンプ用品店やスポーツショップでたいていのファッションは済ませてしまう人が多い。
タウランガは雰囲気的にはアメリカの西海岸みたいな落ち着いた海の街だけど、あそこまで洗練されているわけではない。かといって、野暮ったいわけでもなく(というよりもむしろワイルドスタイル)、自然の豊さと街としての機能性のバランスが取れているという気がする。
海にも山にも近い
ニュージーランドはアクティビイティ天国だが、タウランガもその例に漏れない。
タウランガには海があるし、一時間ほど車を走らせればロトルアという山と湖のある街がある。
ゆえにアウトドアの選択肢が非常に多い。
サーフィン、釣り、ダイビング、カヌー、ラフティング、ハイキング、マウンテンバイクetc...
キャンプなんて一生することなんてないと思っていたほど、ぼくはかなりインドアな人間だが、こっちにきてから自然とアウトドアな感じになっている。
自分でもびっくりしている。
マウント・マウンガヌイ
タウランガの隣にはマウント・マウンガヌイというリゾート地がある。
キウイ(ニュージーランド人)にとってもここは、リタイア後の定住地としてや別荘地として憧れの場所らしい。
マウントとつくからには、ちょっとした山がある。この山からの景色は絶景なので、ニュージーランドの北島に来たら是非とも登るべきだと思う。
標高は232mなので、わりと楽に登れる。だいたい片道45分くらい。
周辺には遮るものがなく、函館の夜景のような景色が楽しめる。
ビーチ沿いを山を見ながら歩くのもいい。この辺りは道も整備されているので歩きやすい。
ちなみにマウント・マウンガヌイの桟橋でよくサビキ釣りをする。
釣れなくても景色がいいので、飽きない。
人がとても親切
キウイの人はフレンドリーでとても親切だ。何かにつけて施してくれたり、家族のように助けてくれたりする。
自動車のタイヤがパンクしたときもタイヤ交換のやり方を教えてくれたり、わざわざ仕事で忙しかったぼくに気を遣ってくれてタイヤを買ってきてくれた。つい先日も出先でエンジンをスタートさせるセルモータという部品が突然いかれてしまって途方にくれていたときに、ホームステイ先のホストファミリーがわざわざ来てくれて、バッテリーを充電してくれたり、レッカー車を呼んでくれたりして、分からない手続きのあれこれのほとんど助けてもらった。
ホストファミリーは酪農、農業を営んでいるのだが、牛乳や蜂蜜をただで分けてくれたり、レモン、アボカド、ミカン、フェイジョアも自由にピックしていいよと言ってくれている。
毎週木曜日、近所のラグビークラブの食事の集まりにご一緒させてもらい、そこで出会ったホストファミリーの知り合いの人にボートフィッシングに連れてもらったりもした。
もちろんキウイの全員が全員親切なわけじゃないのかも知れないけど、困っているとすぐに声をかけてくれるし、大して見知った仲ではなくても家に招待してくれることも多い。
海外生活なので、基本的に一人でなんとか解決していかなくちゃいけないことも多く、日本みたいに何もかもが揃って便利にいくわけではないけど、キウイに助けてもらってなかったら、今みたいに充実したスローライフは送ることができていないはずだ。
そろそろこのタウランガを出て、さらに北上して旅をする予定だが、ホストファミリーには、何かトラブルに巻き込まれたり退屈したりしたら帰って来てもいいよって言ってもらっている。
繋がりの証として、魔除けの翡翠(グリーンストーン)までもらった。
ほとんど見ず知らずだった日本人には、ありがたい話だと思う。
全体的にかなり自慢している感じが漂ってしまったが、日本ではできなかった純粋な生活を送ることができている。ニュージーランドに来て良かったと思う。