【虚無】飲み会で失敗し、退職に繋がった話

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絶望注意


 

 

飲み会とは戦いの場

一般論的に言えば、勤め人の大変さって、

「業務の煩雑さ」「社内政治の面倒臭さ」にあるのではないでしょうか。

会社の出世競争においては、業務をいかに効率よくこなすかということよりも、

社内政治というゲームをいかに上手く攻略できるかってことの方が重要な気がします。

(会社によってもある程度違うだろうけど・・・)

 

その社内政治の主な舞台となるのが、飲み会の場。

上司に話を通しておくことによって、社内で動きやすくなったり業務をスムーズにこなすことに繋がります。

とはいえ、上司には性格の悪い連中も多くいるわけで、気の合わない相手とも何とか折り合いをつけていかないと社内で生きていくのが難しくなってくることもあります。

だから、新入社員は踊ったり歌ったりして、気の合わない上司相手でも話がしやすい状況に持っていけるように、ある意味、根回し的なことをやっておくわけです。

 

ちなみに、「根回し」という言葉は、ぼくの嫌いな言葉ランキング2位にランクインしております。(1位は「頑張る」)

ぼくにとって、会社の飲み会とは、楽しくもなんともない、戦いの場であるわけです。

 

今回は、そんなぼくが、昨年やらかした飲み会での大失敗談を書いておこうかと思います。

会社で失敗した人、お酒で失敗しちゃった人の勇気になれば、幸いです。

 

冷戦さながらの会社の雰囲気

まず会社の雰囲気について、一言で説明しておきましょう。

 

「陰険」

はい。終わり。

新入社員がすぐに辞めていく会社だったために、ぼくが転職して入社してきた時も、

「どうせすぐに辞めるんじゃないの」と囁かれたり、「一日で辞めていく人が今までにたくさんいたよ」と言われる始末

(前の会社がヤバかったので、なんとかなるだろうと思っていたけど)

 

新入社員歓迎会に参加してみると、そこはただの悪口大会。

「あのジジイ、無能そうに見えない?」とか「あの豚女、化粧室でギャッツビーの汗拭きシートで必死に脇をこすっていて、マジで笑えた」とか、「あいつの見栄のはりかたは異常だから、気をつけろ」とか偏頭痛を催す知能指数の低い会話ばかり。

自分が悪口を言われるのが嫌だから、他人の悪口を言うことで、恐怖感情を紛らわしているんだなという印象を持ちました。

 

飲み会の帰り道に、車窓の窓を見ながら、ぼくの心に思い浮かんだのは、

「日本終わってる」

 

とはいえ、この時の飲み会では一応、成功したかなという実感はあり、トラブルなく終わりました。

ストレスが発散することのないままに・・・。

 

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恐怖の忘年会

失敗談というのは、忘年会でのこと。

 

ぼくのいた会社では、二つの部署に分かれて忘年会を開催するのですが、そもそも、社員同士の交流は少ないし、仕事納めに楽しくお酒を飲もうという雰囲気が全くない。

むしろ、社員のほとんどが「忘年会だから」という理由で参加するだけで、できるなら参加せずに家でゴロゴロしていたいという雰囲気が漂っていました。

 

むしろ、貴重な年末を忘年会なんぞに潰されたくないという意図が働いてか、

忘年会は11月29日の木曜日に企画されました。

(あまりにバッドな日だったので、よく覚えている)

 

金曜日ならまだしも、まさかの木曜日・・・。

木曜日は飲み会が入る危険も少ないと考えていたので、ぼくはその日ライブの予定を入れていたのです。

忘年会とはいえ、ただの悪口大会と化す飲み会に、自分の貴重な予定を潰されたくない・・・。

 

ぼくは忘年会の企画者に笑いながら、聞いてみました。

「木曜日に忘年会やるんですね?」

「来れないとかいうなよ?参加は絶対だから」

 

即答。怖え・・・。

そんな訳で、ぼくは自分の予定を生贄に、栄誉高き悪口大会参加を決めたのです。

 

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弊社のドナルド・トランプについて 

忘年会の企画者が、その会の席決めをします。

ぼくの席は、皆恐れ多くてできれば差し控えたい、会長の真正面の席に決定しました。

 

ぼくのいた会社のラスボスである会長についてもお話しましょう。

 

会長は、あまりに暴君のために、陰で社員全員から「ドナルド・トランプ」という名誉あるあだ名を付けられる偉大なる出向役員です。

 

時に「習近平」「プーチン」「お昼寝大魔神」など、あだ名も変化します。

 

ぼくの上司は、会長に直接お叱り(というか、罵声)を受けると、職務中であろうと、こうボヤきます。

「誰か習近平を暗殺しねえかな・・・」

 

ひゅー・・・とんでもねえ、会社だぜ・・・。

日本終わってんな。

 

ぼくの席は、地球上に存在する独裁者の持つ、あらん限りの無能な要素を詰め込んだ、『神の糞溜め』こと、会長の席の真ん前に決まったのでした。

(ぼくが会社に入社したてで、会長と顔合わせをしておいた方がいいという意図があったとしても、糞ったれだよ)

 

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11月29日(木)門前仲町にて

業務が終わると、ぼくはお約束通り、某もんじゃ店の四人がけテーブルの左端にいました。

仮病で休もうか、本気で悩んだんですが、後々のことを考えると恐ろしかったので・・・。(今となってみれば、仮病で休めば良かったなあ!!)

 

さてさて、前におわします会長、遅刻して赤ら顔で登場。

ヒーローは遅れて来るもんだからな!

会長「どの席に座る座ればいいの?え?この席、嫌だなあ。また、新顔と飲みたくないよ」

 

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ぼく「ははは。会長は何飲まれますか?」

会長「わたしゃ、ビールを飲むよ」

ぼく「すみませーん。ビール4つください!」

会長「それとな、ハイボール。うんと濃くしたやつ。お前は?」

ぼく「(え・・・?一気に二つ飲むの?)ぼくにも下さい!」(謎采配)

 

会長が二つ目に頼んだ、濃いハイボール。マジで濃かった。

なんと、ぼくは、あろうことか会長を前にへべれけに酔っ払ってしまったのである。

 

会長「わたしはね。全盛期の時には、優秀なプログラマーだったんだ!なんてな?」

(本当にそんなことを言ってしまうクソジジイ)

社員A「いや、まったくで」

(適当なお愛想。ここまで来ると宗教)

ぼく「(ほにゃほにゃ)・・・」

社員B「他の席に挨拶に行ってきなさい」

ぼく「分かりました」

 

他のテーブルでは、相変わらず、悪口大会開催中。

おまけにすごいのは、ぼくの直属の上司の目の前で、その上司の悪口を言っているところである。ぼくの直属の上司は寝たふりをしている・・・。

とんでもない光景を目にしてしまった・・・。

居たたまれない気分のまま、そのテーブルに向かった時である・・・。

 

隣の営業部署の酔っ払った暴君上司に声をかけられた。

暴君上司「なあなあ。君は普段、ストレスかかっているだろう?なんて名前だっけ?君のストレスの張本人の名前は?」

暴君上司「『や』なんとかさん、だったよな?」

ぼく「え?いやあ?」

隣のテーブルで寝たふりをしている直属の上司、山本部長(もちろん偽名です)をちらりと見る。

暴君上司「ヒント!『や』『◯』『◯』『と』!」

周りの酔っ払ったゴミども「簡単だろー。答えろよー」

暴君上司「『や』『ま』『◯』『と』。あと、一文字!」

ゴミども「答えろよ」

ぼく「やまもと です」

暴君上司&ゴミども「いえーい!よく言った!!」

 

今、こうして書いているだけでも、本当に腹が立って仕方がない。

昔から、ぼくはイジられ体質だったが、ここまでの屈辱を感じたことはない。

作り話かと疑う奴もいるだろうけど、ぼくが一番作り話であって欲しかったと思っているのである。

 

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悪夢のスピーチ

会社に入りたてということで、忘年会の場で軽い挨拶を行うこととなった。

「酔っ払っているのと同時に、怒りを感じている状況で」である。

何かをやらかすには、こんなにお誂え向きのシチュエーションはない。 

 

とはいえ、こんなこともあろうと、ぼくは忘年会の前に挨拶くらいは考えてから、この場に来ていた。

以下のような挨拶だ。

「ぼくは前の会社を数ヶ月で辞めて、今の会社に入社させていただいているので、変に思われる方も多くいらっしゃるかと思います。ぼく自身、前の会社では悔しい思いを多くしてきたので、その悔しさをバネに、この会社でご期待に答えられる働きをしたいと考えています。特殊な状況ではありますが、頑張りますので、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします」

 

実際にスピーチしてみたら、こうなった。

「ぼくは前の会社を数ヶ月で辞めて、今の会社に入社させていただいているので、変に思われる方も多くいらっしゃるかと思います。ぼく自身、前の会社では悔しい思いを多くしてきたので、その悔しさをバネに、『こんな会社でも』・・・

 

日本語とは、不思議なもんだ。

「この会社」を「こんな会社」にしてしまうだけで、意味がガラッと変わってしまう。

二文字を三文字にするだけで、絶望が口を開けて待っていた。

 

ぼくはへべれけに酔っ払っていたために、場の「マジか?こいつ?」の雰囲気に飲まれて、頭が真っ白になり、フォローの言葉が見当たらない、

「あれ?」とか言いながら、自分の今言った言葉の違和感に気が付いていないのである。

 

「酔い」と「怒り」と「混乱」で、ぼくは完全に沈黙した。

 

エヴァンゲリオン初号機、活動限界である。

 

記憶がない

スピーチでやらかした後、席に戻った後、どういう行動をとるか。

そんなの決まっている。

自分は偉業を成し遂げたという顔を浮かべ、机の上の濃いハイボールをただ飲むだけである。

 

ドナルド・トランプこと会長でさえ、「こんな会社」と新入社員にスピーチで言われたショックからか、怒鳴る元気もなく、しょげかえって焼酎を飲んでいた。

ぼくが戻った席だけ、終末感が漂っていた。

 

それからというもの、恐ろしいことに記憶が飛んでいる。

気が付いたら、大手町のトイレに横たわっているのである。

 

記憶が飛ぶ感覚は恐ろしいが、この時ばかりはある意味、助かった気分である。

しかし、込み上げてくる吐き気だけはどうしようもない。

終電もないので、カラオケ店で仮眠をとることにした。

 

大手町の駅から出て、カラオケ店に向かうまでの信号待ちの時、割とガチで自殺しようと思った。

カラオケ店で起きた時、寝ゲロで床に海ができていた。

あの濃いハイボールと胃液の混じった匂いがプンプンする。

 

いちゃもんをつけられる前に、ダッシュで部屋を出た。

ぼくがエレベータを待っている時に、黒人の従業員がぼくのいた部屋の扉を開けた。

ぼくがエレベータに乗り込み、急いで「閉」ボタンを押した時、大きな「Oh My God」が聞こえた。

 

未だトラウマである

こんなこと思い出したくもなかったのが正直なところです。

ただ、会社を辞めた今、「こんな酷くて面白い経験」を発信しないとどうにかなっちまいそうだったんで、ブログに書くことにしました。

 

後日、会社で謝罪に謝罪を重ね、この問題はなんとか解決しましたが、全くの別件で社内政治に巻き込まれることになり、退社に至りました。

飲み会でやらかしたことが直接な原因ではなかったものの、退社に至った大きな要因であることには変わりはありません。

 

ぼくはもう会社勤めは、うんざりです。

おかげさまで、心療内科のお世話になってしまいました。

 

最後に、ぼくから二言。

「酒は飲んでも呑まれるな」

「ブラック企業からは一日も早く逃げ出せ」

 

以上です。