【NZワーホリ】怪我したことで、人を信用しすぎたらダメだってことに気がついた話【海外での失敗談】
ワーホリに来て1ヶ月だが…
さて、2019年12月にニュージーランドに渡航しもう2月になるので、1ヶ月半が経とうとしているわけだが、とても刺激的だ。
年末はインド系オーストラリア人のナンパに付き合ったり…ブルーベリーピッキングの仕事を見つけたのはいいけど、最低賃金も支払わず休憩もなく強制ボランティアをさせる職場でミニストライキを起こしたり…怪我をしたり…(New
!!)
失敗談続きだが、ブログにはちょうどいいネタになる。そんなわけで今回は怪我したことについて話したい。
ちょっと話が複雑なので簡略化はするものの、雇用主たちには裏切られて大変怒っているので、簡略化もしたくないほどである。
ミニストライキ騒動
最初にミニストライキ騒動について、話すべきだと思う。これはぼくの怪我の原因と、ぼくが雇用主たちに対してキレている理由に直結するからだ。
事の発端は2週間前。給与明細を貰ったぼくたちは、怒っていた。
端的に言えば、最低賃金以下で働いていたことが発覚したからであり、労働時間もちょろまかされていたからだ。おまけに農園オーナーによる強制ボランティア(無給労働)を強いていた。そこでぼくたちは訴えを起こし、ミニストライキを経て雇用主側は改善を図ると約束した。
雇用主側の言い分はこうだ。
「ぼくは忙しくて手が回らなかった。すまない。本当に忙しくいらだってもいたし、ペーパーワークにまで手が回らなかったんだ」
自分が忙しいからといって最低賃金も支払われないのは道理に合わないが、まあでも確かに雇用主は忙しそうなのは事実だった。
ところで、ワーキングホリデーで来ている人は二つの考え方で分けられると思う。
一つはお金を稼ぎたい。二つ目は小遣いを稼ぎつつも楽しむことを優先させたい。
どちらかといえば、ぼくは二つ目の考え方をする方で、きちんと賃金は貰いたかったものの、雇用主がきちんとしさえすればさほど神経質に労働環境に不満を持っていたわけではなかった。
それに、ここの雇用主はとてもフレンドリーで人柄がいいと思っていた。シャワーが出なければ夜中でも駆けつけてくれて直してくれたり、職場が殺伐としないようにアットホーム(この言葉はゲロ吐くほど嫌いなのだが)な感じを出して、誰もが楽しく過ごせるように工夫していると感じていたため、法律的なところは適当なところがあっても信用のおける人物だと思っていた。
この時点では…
雇用主を手助けしていたら怪我をした
ミニストライキ以降、雇用主を手伝わなくなり、職場の雰囲気がギスギスしはじめた。
ミニストライキ以前なら皆んなでやっていた摘んだブルーベリーを冷蔵庫に入れる、5分で終わる作業を長い時間かけてやっていて、手助けしようと気まぐれを起こした。
忙しいと言っていた雇用主への親切のつもりだったし、人柄のいい人だと思っていたため雇用主のことを信じたいというのもあった。
ブルーベリーの入った青いケージの重量を計測し、ケージを積み重ねていくだけなのだが、ケージを高いところに積み重ねようとしていた時に何かに躓き、足をしたたか捻った。
完全にドジである。
雇用主にしてみれば手伝いを求めたわけではないのに勝手に怪我した阿呆に映るだろうし、同僚にしてみれば、賃金をちょろまかす雇用主を助けるからこうなるんだと思いもするだろう。
とにかく歩くことができない以上に虚しくなり、部屋でふて腐れていた。
病院に行かせたがらない雇用主
次の日の午後、雇用主が怪我の様子を見に来てくれたので、英語が堪能ではないぼくは雇用主にメールを入れて謝った。
すると、怪我はつきものだから恥ずかしがる必要はないし感謝している。明日の朝病院に連れて行こうと、雇用主からメールが来た。雇用主が怪我の様子を見に来た時もその次の日病院に行くという話をしていたのでありがたいと思っていた。
次の日、雇用主は来なかった。昼ごはんの時に職場に顔を出し、病院はいつ行くの?と聞くと完全に無視して外に出て行った。
さて、ここで二人の韓国人のワーホリを話に出しておこう。
韓国人の二人はぼくのことを心配してくれていて、ぼくの知らないところで雇用主に病院に行くのか質問してくれていた。
その時、雇用主は、自分の母にぼくを病院に送り届けると話していたらしい。だが、韓国人たちがその雇用主の母に聞いてみると、全く知らない話だった。雇用主は嘘をついていたのである。
おまけに雇用主の妻は、ぼくの怪我のことを知っているくせに、韓国人が何を言っても、ぼくが怪我していることは知らなかっただの言ってとぼけようとしてくる。病院は高いだの、手続きが煩雑すぎて難しいだの、歩けるのなら骨は折れてないから病院に行く必要はないだの、脅しつけてきたそうだ。
なぜ雇用主たちがぼくを病院に行かせようとしないかと言うと、ニュージーランドのACCという仕組みに話の肝がある。
ACCはニュージーランド国内にいる人間が怪我した際に国が保障金を出してくれる制度。従業員が怪我した場合、雇用主もある程度の負担を負わなくてはならないため、それでぼくを病院に行かせまいとしていたわけである。
とはいえ、病院に行こうとする人を物理的に行かせまいとさせることは不可能。そこで雇用主たちは病院に行くのは自由だけど、最初に海外保険証を見せろという。おそらく、保険会社に費用負担させてACCを申請しなくてもいいという状況を作ろうとしたのだろう…
ACCを申請してから補填されなかった分を海外保険が補うのが原則である。
病院に行ってみると…
別になんてことはない。
手続きも難しくなく、ACCのカバーが入ったため治療費もさほどかからなかった。
さて、ぼくの怪我だが、レントゲンを撮ってみた結果(雇用主たちは150ドルはかかると言っていたらしいがたった30ドルだった)、骨が折れている疑惑が出た。
おそらく捻挫だろうが、骨が歪んでいるか砕けているか折れている可能性があるとGP(診療所の一般医)は言うので、びびった。翌日に専門医に見せて、電話するというがさすがニュージーランド人…電話などしてこない。こちらから電話をしたものの、ただの捻挫か骨へのダメージがあるのか、いまいち判然としなかったため、今度は病院のエマージェンシーにかけこんだわけだが、ACCが全額カバーし無料で治療が受けられた…
雇用主たちの嘘がとことん酷いことがわかった。
わざわざ往復2時間以上かけてタウランガまで来てくれた韓国人たちには本当に感謝している。彼らがいなかったら、雇用主たちにしてやられていた。
さて、嘘をつきまくっていた雇用主たちはついに開き直り、病院から帰ってきた時にぼくがただの捻挫だったというと、農園のオーナーは
「ほらな。俺の言った通りだっただろ?病院なんかに行きやがって。俺が正しいじゃねえか。お前のせいで迷惑かかってるんだよ」
「骨折か捻挫か確認したかっただけ。何で迷惑かけたのかさっぱり分からんね。あなたたちは病院に連れてくって約束破ってるわけだが?足のことが心配だったわけだし」
「It doesn't matter.」
「は?」(日本語)
「Anyway,I'm really really disappointed」
「me too!」
「Go away!」
「bye」
と、ぼくが言うと、オーナーは色々蹴飛ばしながらどこかに消えて行きましたとさ!
人のことは信用しすぎたら駄目!
そんなわけで、ぼくの怪我がきっかけになって、雇用主たちの本性が分かってしまった…。
あくまでワーキングホリデーという立場なので、多少の賃金のちょろまかしとか強制ボランティアなどにも目くじらを立てるほどのことではなかったのだが、人柄のいいように見せかけておいて、一番大変な時に無視する雇用主の性格にドン引きした。
雇用主たちはフレンドリーだしのんびりしていてピュアな感じが漂っていたため、勝手に作り出したニュージーランドの農家のイメージにはめ込んで信用していたわけで…ある意味じゃ心の中でレッテル張りをした報いを受けたのかも知れない…最初から雇用主の本性に気がついていれば、さっさと職場も辞めていたはず…
まあ、結果として、仕事は辞めることにしたが、いい経験になったと思う。