『アルジャーノンに花束を』に感動したので、その熱量だけで紹介してみる(ネタバレなし)

名作と名高い『アルジャーノンに花束を』ですが、先日初めて読みました。

感動したので、その熱量だけで紹介文書いてみます。(書評ではないのであしからず)

アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)

アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)

 

 

そんなに難しい小説ではないので、未読の人は絶対に読んだ方が良いとお勧めしておきます。自分はドラマ版を見てはいないのですが、ドラマ版と内容も全然異なるらしいのでご一読をお勧めします。(チャーリイ役は演技力試されると思うんだよなあ・・・)

 

では、すごく簡単に「アルジャーノンに花束を」の話の筋を紹介します。

(ネタバレはなし)

 

 主人公の名前はチャーリイ・ゴードン。この小説はチャーリイ・ゴードンが自らつけた経過報告書を追っていく形で話が進行していきます。

 32歳になっても幼児並みの知能しかないチャーリイ・ゴードンは、叔父さんの友人ドナーのパン屋で働きながら、知的障害成人センターに通っています。そんな彼に、人類で初めて知能を人工的に向上させる手術の被験者にならないかという夢のような話が舞い込み、大学の研究室の実験体として頭を良くする手術を選択します。

ちなみに題にもある「アルジャーノン」とは大学の研究でチャーリイと同じ手術を受けた白ネズミのことで、チャーリイはアルジャーノンを相手に検査を受けます。

 

チャーリイのIQが高くなっていくうちに、自我が芽生え、恋をして、人間の煩雑さを理解するようになります。頭が良くなれば友達ができるという当初の思惑とはうらはらに天才となったチャーリイの喜び、憎しみを知り、自分とは一体何者なのか苦悩することになるのです。

 

・・・ネタバレなしで「アルジャーノンに花束を」のあらすじを書くのは中々苦しいものがありますが、ここで留めておきます。

 

「アルジャーノンに花束を」の小説としての魅力は、SF小説という枠組みでありながら、読み手によって話の捉え方や想起される感情が異なってくることだと思います。言い換えれば、幅のある小説であり、エンタメな小説でありながらも普遍的な意味を持つ話だと思います。

「頭が良いことは人として優れていることなのか」こういうテーマをもとに実験的に書かれており、人間とは一体なんなのかを考えさせられます。

天才になったチャーリイは、チャーリイに実験を施した大学教授にこんなことを言います。

「知能は人間に与えられた最高の資質のひとつですよ。しかし知識を求める心が、愛情を求める心を排除してしまうことがあまりにも多いんです。これはごく最近ぼくがひとりで発見したんですがね。」 (p364)

この台詞の意味を考えながら、読んでみるのも面白いと思います。

 

「アルジャーノンに花束を」を読んで感動した熱量で、書評にもなっていないものを書いてしまいましたが、ワンシーン、ワンシーン記憶に残る、1回読んだら忘れられない小説になると思います。ご一読をおすすめします。